カマーバンド

カマーバンドの起源と位置づけ

カマーバンドとは、ディナージャケットに合わせる礼装用の腹帯です。現在では一般的ですが、正式な装いでは、本来ドレス用のウエストコート（ベスト）を着用するのが基本です。

カマーバンドがイギリスで注目されたのは1893年。政治家オーステン・チェンバレンがカマーバンド姿でパーティーに現れ、風習に反すると批判されました。というのも、これはインド植民地に住む英国人が暑さ対策として現地の衣装「カマーバンド」を応用したもので、あくまで植民地での略装だったからです。

その後、盛夏限定で徐々に英国本土でも受け入れられ、現代では広く用いられています。ただし、カマーバンドは略装の名残であり、燕尾服などの正式礼装には用いられません。