KINDWARE

モーニング・コート

モーニング・コートの始まり

モーニング・コートを着用した男性の正面写真モーニング・コートの後ろ姿とバック・ボタンの詳細

モーニング・コート ―「服装遺産」としての現役フォーマルモーニング・コートは現在も日中の正式な場で着用されるフォーマルウェアです。もともとは、より格式高いフロック・コートの略式として生まれたもので、「午前中の装い」を意味します。19世紀の英国では、馬に乗って午前に訪問する習慣があり、裾を後ろで留めやすい構造にするために「バック・ボタン」が付けられました。これは現在も名残として残されています。

フォーマルウェアは、単なる服装ではなく過去の風習や機能を受け継ぐ「服装遺産」と言えます。たとえば、三つボタンのシングル型モーニング・コートも、1894年の英雑誌『ウエストエンド・ガゼット』に掲載された記録があり、過去に実績のあるスタイルです。つまり、伝統に根ざした装いであるかぎり、新しいデザインもまたフォーマルウェアとして受け入れられる可能性があるのです。